NERUMAE日記

おやすみ前にいらっしゃい。

お金がなくても旅はできる

今回airbnbで見つけた宿は「バックヤード・グランピング」。

名前だけだと伝わりにくいけど、オーナーの家のお庭に建てられた大きなテントでのステイだ。テント内にベッドもソファもテーブルもある。ソファに座ってぼーっとしてると、モンゴルの草原の中にいる気分になってくる(行ったことないけど)。

オーナーはお母さんのアリシア、娘さん、可愛い赤ちゃんの3世代女性一家です。

 

 

おなじ庭に流れ着いた2人

今回の宿泊先で2人のフランス人男性、 ジョナサンとケビンに出会った。

2人は同じ庭内に小さなテントを張って2人で寝泊まりしている。

 

カップルかな。友達かな。airbnbには他のプランはなかったし、この人たちはどういう経緯でここにいるんだろう…とちょっと気になっていた。

 

3日目の朝、ケビンが「今からパスタ作るけど一緒に食べない?」と誘ってくれた。

庭にあるソファで一緒にランチ。ケビンのパスタはお洒落で美味しかった。オーストラリアに来る前に、カナダのケベックで数年間パティシエをしていたそう。

 

 

よくよく話を聞いてみたら、彼らはまずゲイではなかった。ワーキングホリデーでオーストラリアに来ている友達同士だった。

寝泊まりにお金がかけられないから、airbnbで見つけたホストに「庭にテントを立てさせてもらっていい? お礼の代わりに雑用をします」という交渉をして、受け入れてくれたのがアリシアだったのだそうだ。2人はいま仕事を探しているということだった。

 

 

「何ができるか」じゃなくて「何がしたいか」

 

そんな方法考えたこともなかった。オーストラリアでは野宿は禁止されているらしいけど、そういう乗り越え方があるのか。お金がなくても旅行はできるものなんだ、と感動してしまう。お金に左右されずに、したいことを叶える方法を自分で考えて行動に移す。すごい。

 

ところで実は、ケビンは英語がほとんどできない。ここまでの2人の状況を理解するのに、かなりグーグル翻訳にお世話になった。

もどかしそうだけど、穏やかでとても優しい人のようだ。面倒に感じたら別々の時間を過ごすことだってできるのに、一生懸命何かを語ろうとしてくれている姿にこちらも安心感をおぼえる。

言葉でなかなか通じあえない時、視線のやり取りというツールがとても役に立つこともケビンとの会話を通じて実感した。

 

 

 

一緒にお出かけしてみた

 

どんな時間の過ごし方をしているんだろう、と今日は彼らの1日の予定にまぜてもらうことにした。

お昼過ぎから3人で地元のモール Northlandへお買い物に出かけ。まず3キロくらいの道のりを歩く。

映画館もある大きなモールで、食品、衣料、カフェ、レストラン、なんでもあるところだった。イオンみたいな感じだ。

ジョナサンはモールに行くのにも裸足だった。2人ともひげボーボーで着の身着のままだけど、どこか知的な感じがするのはフランスの国力かもしれない。

 

ジョナサンはロンドンで9ヶ月働いていたそうで、時々ケビンの言いたいことを説明してくれる。でも過度には助けない。2人のバランスはとてもいい。セサミ・ストリートのアーニーとバートみたいだ。

 

 

 

無駄にしない社会

 

スーパー内で、3人で安いもの、安いものを探して買い物する。

「このパンすごい割引されてる」「このチーズフランスだったら半額以下だよ」「2リットルのオレンジジュースが1ドルちょっとだ!」

安いものを探して買うのも、友達と一緒だったらけっこう楽しい。

 

 

ケビンはフランスにいるときにdumpster diver/binner(ダンプスターダイバー/ビナー)として活動してたこともあるそうで、自分がインタビューされた時の記事も見せてくれた。

dumpster diver/binner:日本語にすると「ゴミ漁りする人」なのだが、ネガティブな意味だけをもつ言葉ではない。ゴミ漁りをする理由も人それぞれ。貧しさから来る場合もあれば、ものを無駄にすることが多い現代に反対意識をもって社会的活動としてとりくんでいる人も多いよう。

「スーパーマーケットのゴミ捨て場で食料を調達したら、ただ賞味期限が切れているだけで味にぜんぜん問題ないものばっかりなんだよ。それを拾ってホームレスの人に配ったりしてた」とケビン。

 

自分が動くだけで、お金をかけずに人を助けられるというシンプルだけど意味のある行動。できることをしよう、という意識の高さがとてもステキだ。

ここでも根底にあるのは、「何ができるか」ではなく「何がしたいか」に合わせて自分の行動を選ぶということなんだろうと思う。

 

 

 

それでいてかっこいい

 

節約している2人だけど、コーヒーだけはスタンドで美味しいのを買ったりしていて、そういうお金の使い方もかっこいいなと思う。お金はなくてもタバコはやめられないよね…なんて言いながら、手巻きのタバコを交代交代で吸っているのもかわいい(オーストラリアはタバコが1箱20ドル以上する)。

大都市を1人でうろうろするのも楽しいけど、こんな時間の過ごし方もとてもいい。

 

 

今日はホストも一緒にお庭でみんなでバーベキュー。2人の今日のお手伝いは「グリルを掃除して、みんなのお肉を焼くこと」だったみたい。迎え入れてあげた人も迎え入れてもらった人も、過度に気を使わず、お互いの利害や状況を尊重しあっている感じがする。

 

お金があることで思いつけなくなっている発想や行動が色々あるんだろうな。2人を見ながらビリビリしびれるような気持ちになった1日。