「せっかくの休みだし、どっか出かける?」とイーリと出かけたある日。
出発10分で飛び入り参加が…!
家から出発して車を走らせていると、10分くらいしたところでヒッチハイカーに出会った。
22,3歳の、ものすごく背が高いフランス人の男の子。名前を忘れてしまった。残念。
ワーキングホリデービザでオーストラリアに来ていて、あちこちでフルーツ・ピッキングの仕事をしながら、オフの日はヒッチハイク旅行して回っているそう。
そんな生活の仕方があるの! とびっくりしたのだけど、「ヒッチハイクなんてカンタンだよ〜。君たちが止まってくれるまで10分もかからなかったよ」と笑っていた。…私もしてみようかな。
イーリの愛車、スバルの後部座席で、背を曲げて座らなくてはいけないくらいほど大きい人だった。道中いろんな国を旅した話をしてくれた。
「君たちの目的地まで乗せてってほしい」という彼。
せっかくだから一緒に行かない?と、隣り町に行く途中にあるMilton ミルトンというヴィンヤード/ワイナリーへ、一緒に寄り道した。
テイスティングをしながら、自分のしているブドウの収穫のことをとても楽しく話してくれる彼。最初はツンとしていたカウンター内の女性の笑顔も、彼のおかげで見ることができた。
お話の才能ってどこから来るんだろう。
1時間も一緒にいなかったけど、私は多分この人のことを一生覚えていると思う。
スワンシーにやってきた!
さらにドライブを続けて、やって来たのはSwansea スワンシー というちいさな町。
ヒッチハイクの彼とはここででさよならをした。
ついたよ〜!
この町のシンボルみたいな MORRI'S GENERAL STORE。1838年からある建物なのだそう。
建物内は美術館というわけでもなく、ホームセンター的なアイテムが売られていて、オーストラリア内ではメジャーなスーパー「IGA store」もすぐ隣りにある。
石の上からランダムに塗られた壁。いいなあ。かっこいい。
駐車場の壁には、Kodak Filmコダック・フィルムなんかの古びた看板も。
このくたびれ方よ…! 持ち去りたい。
通りのすぐお隣りは海・海・ずっと海。
この公園の前で、自転車のとなりにひとりで腰掛けている中年の男性ショーンに出会った。
というか、じつは絶対ショーンという名前じゃなかったんだけど、ヒッチハイクの彼といい、2人とも思い出せないのが悔しいから仮名にしておく。
ショーンは自転車の両側にテントやクッカーなど色々と荷物を積んで、1人旅をしている人だった。
タスマニアは、町から町への距離がかなりある。
きつくないの?と聞いたら、
「いや〜きついよ! だから昨日とかどこも移動してないよ。そこのIGAでビール買ってチキン買って、一日リラックスしてた」とショーン。多分50歳を少し過ぎているくらいだと思う。
いろんな旅の仕方があるなあ。いろんな楽しみ方があるなあ。
…この後ドライブをしながら「もし自転車だったら…」と想像しながら車に乗っていたけれど、アップダウンも多いし紫外線も強いし、ものすごくハードそうだった。
Swansea スワンシーの景色
ショーンとのおしゃべりを終えて、海沿いを散歩。
ここでイーリと、2人とも大好きな映画「魔女の宅急便」の話をしてた。どうしてだったかな、そういう気分だったのかな。
「わあ、イーリ、海よ海!」
道の途中、何かの巣穴を見つけた。ペンギンかな、別の鳥かな。
あなたのおうちですか〜
のんびり楽しんだスワンシーの町は、「こじんまりしていてラブリー」という印象が残った。バラがきれいな季節だった。
ペンギンとクマもいた。
Kate's Berry Farmでスイーツを堪能しましょう
散歩のあとは再びドライブ。
ショーンが「あそこでたらふく食べた!」と言っていた「Kate's Berry Farm」へ。
ベリー畑の目の前にある、木々に囲まれたお店だ。
店内にはいろんな種類のジャムがずらり! ジャムの試食もずらり!
photo: Kate's Berry Farm
いろんなベリーやナッツをコーティングしたチョコレートもたくさん!
おみやげにもらったらものすごく嬉しいやつだ…。
わたしはここでブルーベリータルトとアイスのプレートを注文。紅茶と。
イーリ先生はベリーソースのクレープ。コーヒーと。
どっちもベリーソースたっぷり! そしてアイスも雪だるまみたいに山盛り。
これ以上入りません、っていうくらいお腹いっぱいになった。
並んでベリー畑を眺める仲良しご夫婦。なにを見てもいい景色だなあ。
思い出したくなる景色を見にいこう
さて、お腹いっぱいになったところで、またお散歩へ。
どこなのかよく分からないけど、いい風が吹いている原っぱへ。
グネン、と思い切り曲がった木。左の木に恋しちゃったのでしょう。
ムックが大膨張しちゃったような木。
上の木のアップ。松の木の一種なのかもしれない。
乾いた大地の植物は、どうして乾いた色になるんでしょう。ふしぎ。
何やらかっこいい建物跡を見つけたと思ったら、近くに案内板があった。
むかしはこのあたりで塩づくりがさかんだったようで、上の遺跡はそのための建物なのだった。時間が流れたんだなあ。
もう十分満喫したのに虹まで見せてくれた。
飛行機まで見せてくれた。
原っぱから帰る道、車を止めてもらってこの写真を撮った。絵みたいな景色だった。
こういうひっそりと美しいものを見つけた瞬間に、人は絵を描きたくなるんだろうな。
…こんな贅沢な一日でした。羊を見ながら帰りましたとさ。