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インド人の夫とベルギーで2人暮らし中。30代前半から仕事を辞めて海外1人旅をスタートし帰国後夫と出会って国際結婚したり海外移住したり。何歳になっても勉強しながら楽しく自由に生きることを誓います。

ベルギー移住歴2ヶ月の振り返り。現地での家探し&賃貸契約のしくみと移住生活で困った3つのこと

ベルギーからこんにちは。

2019年11月に神奈川県からこちらに引っ越してきてから約2ヶ月が経ちました。
2020年は、そしてこの先しばらくは、この国にじっくり根を下ろして住み着く予定です。

まだ何もかもが新鮮な今のうちにこれまでの移住のスタートを振り返ってみたいと思います。

やっぱりいろいろ準備不足だった私。困ったことが主ですが、海外(特にヨーロッパ圏)への移住を検討されている方がいたら何か参考になれば幸いです。

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今日はワッフルの話は出てきません

ベルギー移住の経緯

ニレちゃん(夫)の転職がきっかけでスタートした移住計画。

日本国外で暮らしてみたいという気持ちは私にもずっとあったのだけど、私の実力で探せる海外での仕事と夫の力で探せる仕事を比べたら、夫の仕事の方が安定しているということは明らかだった。

転職先はニレちゃんに任せて、私はこれまで同様、フリーランスワーカーとして移住した先の土地で自分の仕事を探すことにした。

転職活動を始めてから仕事が決まり、実際に移住するまで約1年数ヶ月。

十分に時間があったような気もするのだけど、仕事が決まった後のビザの手続が煩雑で渡航のタイミングがなかなか決まらず、最後は慌ただしく出国したのだった。

 

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こんにちは、ベルギー

初の海外移住。日本出国時に大変だったこと3つ

日々出発のその日を楽しみに、ワクワクしながら過ごしても良かったはずだった移住前の数ヶ月。私はなんとなく落ち込んだ気持ちで過ごしてしまっていた。

一番の理由はただ住み慣れた土地を離れることの心の準備ができなかったせいだと思うのだけど、実際に色々準備に手間がかかったのも憂鬱の一因だったと思う。1番大変だったのは以下のようなこと。

1. 手続き関係

今回の移住が海外赴任ではなく現地就職のため、日本に帰ってくる予定は未定。そのため銀行口座、年金、家やネットやスマホなど様々な契約をすべて解約または整理する必要があった

1つ1つやっていけば難なく終わるものだけど、出国日の前々夜まで家で寝て、次の朝にマットレスを運び出し、家を解約。それから大荷物で空港近くのホテルへ1泊…というのが1番ハードだったかもしれない。

2. 荷物の整理と発送

家具は諦め、荷物は最小限にしぼって船便で送ったのだけど、それでも2人でダンボール17箱の量になった。送料の合計は15万円ほど。ベルギーにいるニレーシュの同僚の住所に送らせてもらった(インド人同士の助け合い、すごい)。

冷蔵庫と洗濯機を買ってもお釣りがきそうな金額を払っているこの瞬間。

自分たちがどれほど遠いところに引っ越そうとしているのかを一番痛感したのだった。

3. 家族、友人とのお別れ

これは大変だったというより、ただただ寂しかった。

同世代の友人は子供が生まれたりして人生の新しいフェーズにいる子が多く、会うたび成長していく子供たちを見るのが楽しみだった。食べられるようになったり、歩けるようになったり、喋れるようになったり。これからそんな幸せな瞬間の数々を近くで見守るチャンスは失ってしまう。

家族に関しては更に切なかった。毎月のように会っていた兄妹や甥っ子とも、年に2,3度しか会えていなかった親からも、また離れてしまう。

自分がなにか果たすべき責任から逃げているような気がしてきて、出発前は少し落ち込んだりもしていた。

 

まずは家探し。ベルギー移住直後の暮らし

ポーランドのワルシャワ空港経由で初めて降り立ったベルギー、ブリュッセル。

少しだけ両替し、到着後はタクシーでオーステンデまで移動した(※円を両替してくれるところは少なく後から何かと不便だったので、両替できる場所は先に調べて置いたほうが良さそう。レートも場所によって様々)。

はじめてのヨーロッパなのに、疲れすぎていて窓の外も見ずひたすら寝てホテルに到着したのだった。

住む家が見つかるまで、会社がホテル暮らしをさせてくれる事になっていた今回。ニレーシュが会社に行っている間に私はホテルの部屋にこもり、ネット上で家探しを始めた。

ニレーシュの会社のあるオーステンデは小さなビーチタウンで観光地なのだけど、新参者が住むには少し街が小さすぎるようだったので、同じくベルギー西側フランダース地方のゲント(ヘント Gent/Ghent)という都市で住居を探した。

ベルギーの2大賃貸情報サイト

利用したのはこんなサイト。

Immoweb: Belgium's leading property website

Real estate website in Belgium. All the properties for sale and for rent in Belgium!

ベルギーの賃貸情報サイトは他にもあったのだけど、ImmowebImmovlan.be のこの2つが1番調べやすく情報量も多かった。家賃の範囲や郵便番号、寝室の数をはじめ、そのほか詳細検索で絞り込める。

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オランダ語、フランス語、英語と3ヶ国語で見れるImmoweb

ベルギーの賃貸物件のシステムは日本と似てる

好きな家やマンションを見つけたら、情報を出している不動産会社に問い合わせ → 内見の予約 → 気に入れば申し込み、というシステムは日本とほぼ一緒。私も何件かメールや電話で予約して内見しに行った。

鍵を貸してくれて自分で見に行くところもあれば、まだ人が住んでいる部屋に不動産屋さんと一緒にお邪魔することもある。公開内見で、沢山の人が同時に見に来ている日もあり、内見方法は様々だった。

ベルギーで驚いたのだけど、フランダース地方(フレミッシュ/フラマン語と呼ばれるオランダ語の方言が公用語)はほぼどこでも英語が通じる

フラマン語にポカンとしていると、みんな特に嫌な顔もせず「英語のほうがいい?」と切り換えてくれるのだった。

3ヶ月のデポジットは国の規定

ベルギーで賃貸物件を借りる場合、日本のように保証人を立てたり保証会社に保証してもらったり…という手続きは特に必要なく、そのかわり一律で3ヶ月分のデポジットを前もって預けなくてはいけなかった

これは政府が決めたルールで、目立った破損がない限りは退去時に全額借り主に返却されるという。貸主は異例のことがない限り借り主に退去を申し出られないなど、借り主が全面的に守られている契約構造になっていた。

EPCでエネルギー効率が分かる

ベルギーの賃貸サイトをみている時に「良い仕組みだな」と思ったのが、EPCという指標。

これはEnergy Performance Certificates(エネルギー性能証明)を意味していて、この数値が低ければ低いほど保温性に優れており、ガス代や電気代がかかりにくい家ということになる。これに比例するCO2排出量も同時に示されている。

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緑の方がエネルギー効率が良く、赤いほうが悪いことを示しています


これはほぼすべての家(ヒーティングシステムを持っている家はすべて)で表示が義務付けられている。

※ ベルギーは夏が短く気温も30度を超えることはほぼないようで、ヒーターはセントラルヒーティングとして殆どの家で完備されている一方、冷房はない家がほとんど。

内蔵型キッチンが多い

その他にも有難かったのが、冷蔵庫、電子レンジ兼オーブン、食洗機などキッチン家電が据え付きのマンションがほとんどだったこと。家電をいろいろ買う手間も費用も抑えられるし、家に合わせたサイズを買って引っ越しの時に困ることもないしでとてもいい仕組みだと思う(※ 洗濯機まで完備のところはあまりなかったので、ただいまコインランドリー常用中)。

そうだ、キッチン関連でちょっと困っていることが1つ。

ベルギー人はとても背が高い(女性の平均身長165cm/男性の平均身長178cm)。

そのためキッチンのカウンターも日本よりずっと高く作られている。カウンターが私のおへそくらいまである

そのまま使っていると最近肩こりするようになってきた。キッチンで作業するときは厚底スリッパを履くか、すのこみたいなのを床にひくかした方が良さそうです。

 

ベルギー移住後に大変だったこと3つ

終わってほっとした家探し。家さえあればまあどうにかなるでしょう…と思いつつも、その他にも悩みのタネは大小色々ある。

今のところ1番大きいものはこの3つ。

1. 手続きがなかなか進まない

ベルギーのお役所で住民登録の手続きをしなくてはいけなかったのだけど、これがなかなか進まない。

役所に届ける → 警察が家に来て、その住所に居住しているかどうか確認する → 役所から連絡が来て、カードが発行される

という順序のはずなのだけど、1ヶ月のホテル生活から引越し先の家へと私たちが街を移ったこともあり、その状況がシステムに反映されていない等のトラブルもあり、まだ住民カードをもらえないまま2ヶ月が過ぎようとしている

これがないと国外にも出られないため、年末休みもフランスやドイツにいる友だちに会いに行かれず、ベルギー国内で過ごしたのだった。まあ、時間が経てば解決する問題。

2. 日本から送った荷物が届かない。関税が高額

送るのも一苦労だった日本からの船便。届くときの大変さは想像以上だった。

まず、届かない。17箱も送ったのに、2ヶ月経ってまだ3個しか届いていない。

追跡したところ、残りのうち10個は税関で止まっているらしい。

日本からベルギーに荷物を発送する際にはインボイス(仕入れ書)を付ける必要があったのだけど、私達はそれを知らずに発送してしまった。そのせいで税関で荷物が止められていて、今その提出を求められている。

のだけど、2ヶ月も前に送った箱の中身。どの箱に何が…なんて全然分からない。

しかも、いま郵便局まで届いているものもあるのだけど、1箱ごとに150ユーロの関税を要求されている最中。この後この荷物たちがどうなるのか、考え始めると不安すぎる。

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1つずつ知人宅に届くのを家まで運ぶ。箱ボロボロ。

3. 公共の交通機関が不便

フランダース地方でのトラムやバスは、De Lijn(デライン)という名前で国営の公共交通機関として運営されている。

もともとバスや電車の本数がそれほど多くはないのだけれど、ストライキが頻繁にあるため、バスや電車の遅延や運休もかなり多い。運休はアプリにも反映されないので、バス停で何十分も待ちぼうけすることもしばしば。

東京の冬よりずっと寒いベルギーの冬。待ちぼうけ、つらい…。

公共交通の不便さは車社会発展の原因になってしまうとは思いつつ、従業員がリラックスして自分の権利をはっきり主張している部分はいいなと思う。

便利すぎる東京の交通の方が世界的には珍しいはずなので、このあたりはもう少し自分のスタンダードを下げなくては…と思うところ。

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バスマツマツマツ

 

移住後のネクストステップ

衣食住が少しずつ整ってきた移住から2ヶ月(衣はまだ全然届いてないけど)。

これからどんな風に暮らしていこう、とまだ思案中のことばかり。

もう少し家を整えないと。でもそんな急な出費ばかりでは。今後の仕事の見通しも立てないと。友達ほしいな。フラマン語習いたいな。日本のご飯食べたいな。お魚高いな。コインランドリー通いはいつまで続くのかな。

 

1人だったら不安だらけのはずのこの状況なのだけど、

「今日はバスすぐ来たね」「いえーーい!!」

「今日ダンボール1個届くらしいよ」「いえーーーい!!」

「今日アジアンマーケットで皮買ったから餃子にしよう」「いえーーーーい!!!」

 

と、小さなことでも大喜びして「今日はまた1個進んだね」と1日1日を満足げに終えるニレちゃん(夫)がいるからまあどうにかなりそうな気がしてくる。

持つべきものはポジティブなインド人。

 

と、こんな感じでスタートしたベルギー生活です。