さて、今日からながーいオーストラリア編が始まります。
マレーシアはクアラルンプールを出発して、やって来たのはMelbourne メルボルン。文化的、芸術的に優れた都市です(なんとなくそんな感じです)。世界一住みたい都市No.1にも6年連続で選ばれてるんですって。
クアラルンプールからメルボルンへ
国から国に移動する日はいつもなが〜い1日になる。
荷物をまとめて/バスや電車で空港まで移動して/チェックインして/飛行機を待って/飛行機に乗って/狭い椅子のうえで到着を待って/降りて/荷物をピックアップして/バスや電車で移動して/ようやく宿泊先に到着。
Google Mapでクアラルンプールからメルボルンまでの移動距離を調べてみたら6500キロくらいだった。そりゃあ遠いよ。1日で着くのが奇跡だよ。
やっとメルボルン国際空港に着いたけど
機内での時間は約8時間。イミグレーションを通って荷物をとって空港を出られるまでに約1時間半…。メルボルンの空港を出られたのは夜の10時過ぎだった。やばい。終電、終バス、あるかしら…!
空港からバスに乗って、メルボルンの中心部 Sothern Cross St. サザンクロス駅へ向かう。ここで交通ICカードMYKI( マイキー)をゲット! 電車に乗り継いで、宿泊先の最寄り駅 Preston St. プレストン駅へ向かった。
さて、本当はここから更にバスに乗り継いで宿泊先に向かう。
…はずだったのに、駅を出たところで、終バスが目の前を静かに通り過ぎていってしまった。
困ったときはひたすら歩く
ここで時刻は深夜12時。車通りもほとんどない。「仕方ない、歩こう…」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ。
宿泊先までは約6キロ。スーツケースを転がす音が静かな道路に響き渡る。
「ゴニョゴニョゴニョ!」
半分ほど来たところのガソリンスタンドの前で、道路の向かいから女性に話しかけられた。あ、何か怒られるんだろうか。うるさいから?
道路を渡って近寄っていってみたら、少し年上に見える女性だった。"Do you need some help?" 手伝おうか? と言われていたのだった。かなりのハスキーボイスだった。
私:宿泊先の家に向かってるんだけど、バスが終わってしまって歩いてるんです。
彼女:私も一緒に行くよ。ちょっと待ってて、飲みもの買ってくる。
ガソリンスタンドに戻っていく彼女。しばらくして、コーラとチョコバーを持って帰ってきた。
私:あなたは今何してるところだったの?
彼女:まあね、いろいろ
スタンドの明かりの下で見ると、服装がなんだかボロボロかもしれない。失礼なことを聞いてしまったかもしれない。道を聞く以外では、メルボルンに来て初めて話した人だった。こうして彼女と一緒に歩きはじめた。
守ろうとしてくれたのか
いろいろ話したかったけど、彼女の言っていることがよく理解できない。いつもそうだけど、初対面の人と話すときはとくに聞き取るのが難しい。
彼女が「私は声が変だから、みんなが怖がっちゃう」と言ったのと、「37歳だ」と言ったのと、「メルボルンに21年いる」と言ったのははっきり聞き取れた。
この人はどうして私と一緒に歩こうと思ったんだろう? 最終的にはどこに向かってるんだろう? 気になったけど聞けなかった。
相手の話が分からないなら自分の話を聞いてもらおう、としばらくあれこれ話した。あちこち旅行をしていること、元々は日本から・今回はマレーシアから来たこと、マレーシアが想像以上に楽しかったこと。
しばらく2人で歩いたところで、向かい側から車が来た。 「どこに行くの? 乗らない?」と、2人の若い女の子だった。
バスが終わってしまって、宿泊先まで歩いていると伝えると、「そこまではまだ結構あるよ。送ってあげる、乗って」と彼女たち。
ありがたく乗せてもらうことにして、スーツケースをトランクに積んで後部座席に乗ろうとすると、一緒に歩いてきた女性が「旅を楽しんで、気をつけてね」とその場に残った。
彼女も乗るのだと思っていた私。この人が私のことを心配して一緒に歩いてくれたんだとここで初めて気づいた。なんて言えばいいか分からず、言葉に詰まってしまう。
あなたがここで初めて出会った人だった。ありがとう、と伝えると、にっこり笑ってくれた。なんだかとても申し訳ない気持ちになった。
わざわざ戻ってきてくれたのだった
乗せてくれた2人の話を聞くと、2人はいちど私の横を車で通り過ぎたのだそうだった。
「こんな時間にあんなに大きいトランク持って1人で歩いてるよ」という話になって、わざわざ引き返してきて私に話しかけてくれたのだった。なんて親切な人たちなんだろう、とありがとうを何度も言った。運転席と助手席で2人ともハンバーガーをかじっていて、「チップス食べない?」と薦めてくれた。
大丈夫。ありがとう、と答えたのに、30秒後くらいにまた「本当にチップス食べない?」と薦めてくれる。ヒップホップが流れる楽しい車内。カーリーヘアーのかわいい2人。
2人は私の宿泊先の住所を調べて、正確に家の前で降ろしてくれた。車の外に出ると雨が振り始めていた。
今回の宿泊先はグランピングテントです
ホストはもう寝ていたけど、私が泊まる部屋に明かりをつけてくれていた。今度の部屋もairbnbで探した。ホストの家の庭にあるグランピングテントで1週間のステイです。
またも親切な人たちに助けられて、こうして無事にメルボルンの宿泊先に着いた。私はいつも詰めが甘い。そしてそれをいつも人に助けてもらっている。二度と会えないだろうけどありがたい人たちが、旅行しながらどんどん増えていく。