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インド人の夫とベルギーで2人暮らし中。30代前半から仕事を辞めて海外1人旅をスタートし帰国後夫と出会って国際結婚したり海外移住したり。何歳になっても勉強しながら楽しく自由に生きることを誓います。

(第1話)オーストラリアでペンギンに餌をあげた日。ビシェノ・ペンギン物語【タスマニア滞在記】

ビシェノに来ても相変わらずのん気な毎日を送っている私だけど、1つだけ、ここでの日課がある。

それはなんと、ペンギンたちにエサをあげに行くこと。

「ボランティア」という言葉にあまりしっくりきていないのだけど(教わることが多すぎて奉仕できている気がしない)、イーリが始めて続けているお手伝いを、私も一緒に手伝わせてもらったのだった。

動物たちのリハビリセンター パディメロンパークPademelon Park

ペンギンたちがいるのはイーリの家から1.5キロほど離れたところにあるパディメロン・パーク Pademelon Park 。

便宜的に名前がついているけどそんな看板はどこにも出ていない。住んでいる人以外は通らないような、静かな道沿いにひっそりとある。

ここは、タスマニア内で怪我をしたり病気になったり、親を亡くしたりした動物たちが保護されてやってくる、動物たちの非営利目的のリハビリセンターだ。といっても組織化された大きな団体ではなく、Vicki ヴィッキーとJeoff ジェフの夫婦2人で運営されている。


photo: Gallery_Pademelon Park

初めてここに連れてきてもらったのはタスマニア滞在2日目の朝。初日の夜にイーリから話を聞いて、次の日さっそく同行した。

思い出してみるとその初日「ペンギンたちに餌やり?! やりたいやりたい!」と意気込んでいた私に対して、イーリはすこし緊張ぎみだった。今考えたら当然なのだけど、それがどうして当然なのか後になって分かった。

「写真撮らせてもらってもいいかな?」という私に「この後しばらく通うことになると思うから、まずはヴィッキーとジェフと仲良くなってからにしよう」とイーリ。

パディメロン・パークを始めたジェフとヴィッキー

ペンギンたちにエサをあげるのは1日2回、朝8:00ごろと夜6:00ごろ。

イーリは自分の仕事のスケジュールに合わせて手伝う日を決めていて、朝だけの日もあれば、朝&夜行く日もあり、お休みの日もあった。

お手伝い初日、私は少しだけヴィッキーとジェフに自己紹介をして、あとはみんなの仕事を見ていた。寡黙なジェフにたいして、ヴィッキーは「おはよう、みんな!」とか「よく食べて、いい子ね!」と元気なお母さんみたいに、動物たちに絶えず話しかけている。


photo: Gallery_Pademelon Park

世界で一番小さいペンギン フェアリーペンギン

ここで保護されているペンギンたちは、オーストラリア南部・ニュージーランド周辺の海に暮らすフェアリーペンギン(コガタペンギン)という種類。海岸近くに巣を作って繁殖する。

保護されてくるペンギンのほとんどは、親ペンギンが海に出たまま帰ってこず、1人ぼっちになってしまった赤ちゃんペンギンたちなのだそうだ。

パディメロン・パーク Pademelon Parkで保護されているのはペンギンだけではない。カンガルーもワラビーもパディメロンも、ウォンバットもポッサムもタスマニアン・ネイティブ・ヘンという固有種の鳥も、その他の野鳥たちも保護されてくる。

敷地内を歩くと、無表情のカンガルーたちが跳ね回りながら避けていき、ヘンは知らん顔で走り回り、鳥たちはきれいな羽をバタバタさせながら大きな鳴き声をあげ、後ろからはのっしのっしとウォンバットがついてくる。


photo: Gallery_Pademelon Park

ペンギンたちの家はその奥にあった。流れるプール付きの豪華な家だ。


photo: Gallery_Pademelon Park

フェアリーペンギンの食事風景

ゲートに近づくと、ごはんだ!ごはんだ!と近寄ってくるペンギンたち。

傷つけないようにそっと扉を開けて入ると、「早く!ちょうだい!」と言わんばかりに、羽をバタバタさせながらみんなの足元にすり寄ってくる。

あげたものとまだのものが分かりやすいように、まずはペンギンを1羽ずつ捕まえては、プラスチックの衣装ケースの中に入れていく。エサを上げ終わったものはもう1つのケースに移される。あっさり捕まえられるものもいれば、逃げ回るのもいる。くちばしで思い切り指を噛んでくる。

夫婦に混じって、イーリもペンギンたちにせっせとエサをあげている。1羽ずつ、足の間に挟むようにしてペンギンの背後にしゃがんで、上から魚をぶら下げる。慣れているペンギンは上を向いて、自分で魚を丸呑みにする。なかなか食べないペンギンには、くちばしを手でこじ開けて魚を滑り込ませていく。

あげていたエサは、食べやすいように細長くカットしたサバの切り身だった。「野生のペンギンは魚をまるごと食べるから、同じ形であげるのが一番いいんだけど、それだとお金がかかり過ぎちゃう」のだそうだ。


photo: Gallery_Pademelon Park

パディメロン・パークは夫婦が始めた非営利組織だった

パディメロンパーク Pademelon Park は非営利組織だ。というか、非営利夫婦だ。たった2人のパートナー同士が、「動物たちを守ろう」と決めて、自分たちで土地を買い、動物たちの生活環境を作り、自分たちの家もその土地の中に建てた。

動物たちが暮らすための設備や毎日のエサ代と、動物たちが生きていくために必要なものは尽きないけれど、入ってくるお金はいつも不安定だし、そもそも全く足りていない。

もし下のHPを見てこの場所に関心を持ってもらえたとしたら、ぜひ少額でも、夫婦の活動を手助けしてほしい。何より、くつろいだ動物たちの顔がすごく可愛いので、どうぞ見てみてください。

動物たちのリラックスした表情がいっぱい!

 Pademelon Park パディメロンパークHP

あなたのいる場所から、ペンギンやワラビーにご飯を。

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photo: Pademelon Park HP

次話へつづく