3日目の朝。
朝からニレーシュと洗濯物を洗濯やさんに預ける。1キロ100ルピー(100円)くらいだった。値段は重さで決まる。
「明日の昼にはできてるよ」とのこと。システムはタイと同じだね。長い旅行のときは本当に便利だなー。
ドライバーさん付きで車をレンタル。値段はこのくらい
2日にわたって見て回るお寺や場所は、ニレーシュが企画して手配してくれたもの。友だちのゆいちゃん、ビズ、ワサンと一緒に、5人で見て回った。
ホテルの人に手配してもらった車はSUV車っていうのかな、広々乗れる立派な車だった。
価格はドライバーさん付きで1日目が7000ルピー(7000円)、2日目が6000ルピー(6000円)の合計13,000ルピー。
公共交通と比べると高いかもしれないけど、昨日ネパールでの車の売値(インドの販売価格の4倍!)を聞いたばかりだから「そのくらいするよね」という気持ちになる。
価格の決め方は距離や時間に応じて変動し、交渉にも応じてくれる。観光中は車の中や近くで時間を潰しながら待っていてくれる。
私達のドライバーさんは待っている間、何か本を読んでた。何を読んでるのか聞きたかったなー。
カトマンズから11キロ。ヒンズー教のお寺、ブダニールカンタ
この日最初に訪れたのはヒンズー教のお寺、Budhanilkantha Temple ブダニールカンタ。
祀られているのはヴィシュヌ神(の別名が"ブダニールカンタ"なのだそう)。絡まるような無数のコブラ(セサナーガ)に支えられて、池の上に横たわっている。この全長5mほどの石像、7世紀に作られたものらしい。
中に入るにはヒンズー教徒ではないとダメ&行列ができていたので、外から見るだけにした。
ヴィシュヌの上には、インドでも、ネパールのお寺でもよく見かけるあの鮮やかなオレンジ色の花(生花)が大量にお供えされていた。
この花、ヒンズー教のお寺の近くのお店では必ず見る。糸で繋がれた状態で売られている。
何ていう名前の花なのかずっと気になっていたんだけど、ビズが教えてくれた。
「गेंदा(ゲーンダー)っていう名前だよ。マリーゴールドに似てるけどちょっと種類が違う」のだそう。
(日本に帰ってきて調べてみたら、お供え用と見た目が似ている花弁がモコモコしているものは「アフリカンマリーゴールド」という種類のよう。多分ソレがアレなんじゃないかな。)
お寺の中ではいろんな儀式も行われていて(花やお供え物を火に焚べていく)、沢山の人でにぎわっていた。ヤギもいた。
「ねえみんな何してるのー」と覗き込むヤギ
チャイを飲みながらひと休み
ブダニールカンタの外に出たら、チャイのお店でひと休み。
参拝の後にチャイというのは定番なのか、揚げ菓子を並べたお店が隣り合っていくつも並んでいる。
シロップをたっぷり含ませたお菓子にはハチがたくさん集まっていた。
型も取らず、液状の生地をまあるく油に流し込んで、器用にドーナツ型にしていく。このお菓子(セルロティという名前らしい)、米粉と、ギー(バターオイル)でできているのだそう。
味は甘くはないらしい。お腹が空いてなくてトライできなかった。残念。
お土産屋さんのこの置き物、ひとつ買えばよかったと写真を見ながら後悔中。
丘の上の仏教僧院 Pullahari Monasteryへ
「プラハリ僧院」「プラハリ ネパール」とか日本語でググっても全然出てこないこの僧院。実は穴場だったんだなと今更思っている。
カトマンズから車で40分ほど北東に進んだ位置にあるこのプラハリ僧院。丘の上にある僧院で、ものすごく景色のいい場所だった。
車では進めないので、こんな感じのゲートの近くからしばらく徒歩で登っていく。
ボロボロになったタルチョ。たくさん風に揺れたんだな。マントラもたくさん読まれたことになるね。
しばらく進むとまたひっそりとゲートが。色鮮やか。
道の途中、白く輝く塔たちが。
気温はさほど高くないのだけど日差しが強くて、「暑くなってきたね…」と汗をふきふき登り続けて、やっと到着! 入り口のゲートから20分くらいだったかな。もっとあったかな…。
山の上のお城のようなこの佇まい。
ここでお坊さんたちが修行しながら暮らしている。
装飾は新しく色鮮やか。大自然の中に、赤や黄色、緑がまぶしい。
床や椅子は大理石かな。ひんやりしていて、しばらく座っていたら寒くなるほどだった。
壁いっぱいに広がる精密でゴージャスな仏教絵画。
建物の中ではお坊さんたちが修行しているのだけど、その周りが全て廊下になっている。見晴らしがいい一番上の階で、皆んなでひと休みした。
眼下に広がるたくさんの暮らしとネパールの国旗。繋がっている山の向こうの頂上には、また別の僧院が見える。
みんなこの場所がとても気に入ったみたいで、誰も「行こうか」とは言い出さず、この景色の前に長い時間座っていた。ずっと気持ちのいい風が吹いていた。
山を下る途中、行きに通りがかった白い塔の場所にも立ち寄った。
たくさんの狛犬が頑張って支えているなんだか可愛い塔だった。…ちょっとサザエさんを思い出してしまうこのビジュアル。
ここもあたり一面がタルチョ(5色の旗)で埋め尽くされている。
地震から復旧したBoudhanath ボダナート
お昼を済ませて、次に向かったのはBoudhanath(ボダナート)というチベット仏教寺院。
ここのストゥーパ(仏塔)はネパール最大(高さ36メートル)で、チベット仏教の中心地とも言える仏塔なのだそう。中心にはブッダの骨(仏舎利)が収められているという。
2015年4月25日のネパール大地震で、上部の金色の部分が崩壊してしまったのだが、最優先で修復が進み、1年も経たずして元通りになったよう。
その影響もあり、地震以前は200ルピーだった入場料が2017年から400ルピーに値上がりしているそう。
お寺としても憩いの場としてもとても人気があるようで、観光客と地元の人でごった返すお寺を、四方に描かれたブッダアイが静かに見つめている。
ここでもストゥーパの周りはマニ車(回すとお経を読んだことになる)に囲まれていて、信者の人たちはこれを回しながらストゥーパを右回りに108回周るのだそうだ。
…かなり時間が掛かりそう。私達は1周しか周れなかった。
▲ストゥーパに登ったところ。広々していてぐるりを1周できる。
▲1周もまわってないのに途中で休憩するワサン。108周まわる人もいるんだけどね。
▲ストゥーパを見つめるように、お店もぐるりを取り囲んで並んでいる。1階にはお土産屋さんが立ち並び、2階〜3、4階はのカフェやレストランになっていた。
▲チベットの民族衣装のような装いの人も。
ヒンドゥー教寺院、パシュパティナート
さて、本日最後の目的地。
Boudhanath ボダナートから車で2.5キロ、タメル地区からは4.5キロの距離にある、ネパール最大のヒンドゥー教寺院Pashupatinath Temple パシュパティナート寺院だ。
入場料は1000ルピー、SAARC(南アジア地域協力連合)加入国の人は無料だった。
疲れていたのと、ヒンズー教徒以外は立ち入れない場所が多いというのとで、私とゆいちゃんは外でお留守番。お土産屋さんの近くを歩き回る猿を見ながら休憩してた。
代わりにニレーシュが中の写真を撮ってきてくれた。
かつてシヴァが滞在していたと伝えられているこの土地はヒンズー教徒にとってネパールの中で最大の聖地。
カトマンズ一帯(カトマンズ盆地)が世界遺産に登録された理由の1つともなっているのだそう。
お寺に面して流れているバグマティ川はガンジス川の支流で、沐浴の場所としても、遺体を燃やして遺灰を流す火葬場として昔も今も利用されている。
遺体の火葬は常に行われているそうで、ニレーシュたちも立ち止まってしばらくその様子を眺めたらしい。
立ち止まっている人はたくさんいるのに、みな言葉少なく、静まり返っていて、それぞれが死について何かを考えているような、不思議な時間だったと話してくれた。
ひゅー。長かった3日目の観光もこれでおしまい。
「人よりも神々のほうが多く住む町」と言われているカトマンズの観光にふさわしい、神仏づくしの1日だった。
夜はホテルでネパールのGorkha Beer ゴルカビール飲みましたとさ