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インド人の夫とベルギーで2人暮らし中。30代前半から仕事を辞めて海外1人旅をスタートし帰国後夫と出会って国際結婚したり海外移住したり。何歳になっても勉強しながら楽しく自由に生きることを誓います。

【プーケット旅行記 Day.2】豊かなタイの経済の基礎を作った人。タイの追悼風景とありがとう、ラーマ9世。

あちこちで見かける写真と、捧げられたお花。 視界の中に新しいものが多すぎて認識できていなかったのだけど、これ、国王追悼のためのものなのか、と気づいたのは2日目の夜だった。

そうか、タイは国王が亡くなってまだ間もないんだ。ニュースで見たのはなんとなく覚えていたけれど、頭のなかで結びついていなかった。

どんな人だったんだろう。部屋に戻って少し調べた。

タイは立憲君主制

ラーマ9世(プーミポン・アドゥンヤデート)。2016年10月13日に88歳で亡くなられた。 亡くなった兄に代わってタイ国王に即位したのは1946年。当時18歳。戦後すぐだったんだな。70年という長期間の在位は世界の歴代の君主の中でも珍しいみたい。

ラーマ9世。当時強かった軍事政治の力とそれに反発する市民、という構造を時間をかけて変化させてきた人のようだった。軍政が経済を圧迫しないように調停役として動き、タイの経済発展を支えてきた人。

ラーマ9世の「足るを知る」経済

”自立的・持続可能な経済成長を目指す『足るを知る経済』の概念を提唱し、タイ人の経済行動に大きな影響を与えている。”(Wikipediaより)

足るを知る経済。いい言葉だ。でもどういう意味なんだろう、と調べてみた。大雑把にまとめてみると…。

1990年代後半、タイが金融危機に陥った。急な経済成長の流れが農民層にも影響していて、お金になるものを作りたがる・お金が無ければ借金を重ねる、というバブル的風潮がただよう中、ラーマ9世は安定した生産活動の基盤を崩さないよう、米、野菜、果物、魚の養殖など、農民がバランス良く生産して自給自足できるような土地管理のルールを提唱する。分かりやすい政策に農民たちが素直に従った結果、農民たちの生活は安定し、金融危機も乗り越えることができました。

という感じだった。

国民のためを考えた決断と行動をつづけながら、先々代、ラーマ7世が失った信頼(王政から立憲君主制への変化の時代を生きた人)を取り戻したラーマ9世。国民からの信頼がすごく厚い人だというのが分かった。 タイは海にも囲まれてて海産物も豊かだし、野菜もお米も果物も豊富だし、実り豊かな土地っていいなあ、と思っていたけれど、それはこういう地に足の着いた政策のうえに成り立っていたんだな。そのおかげで美味しいものをたくさん食べて、楽しく旅行できるんだなあ。私もラーマ9世に感謝しつつ、ご冥福をお祈りします。

(次に即位したラーマ10世はどんな人なんだろう、と思ってググってみたら、かなり評判が良くないみたいだった…。お父さんが偉大すぎると息子は大変だ。っていうのだけでもないか。ラーマ10世、陰ながら応援してます)

さて、明日も美味しいの食べるぞ!