ふと気づくと歌っちゃってる歌がある。
♪
明日 海を見に行こう
眠らないで二人でいこう
朝一番のバスで行こう
久しぶりに海へ行こう
♪
スピッツの「海を見に行こう」。
何かにワクワクしているとき、気づくといつもこの歌が脳内再生されてる。この旅行中いちばんのヒット・チューンだ。
セントパトリックスヘッドに登ろう!
やまのぼり! それが今日のワクワクの理由です。
朝から、タスマニアの北東にある町 St Marys セントメリーズに向かう。
今日登るのは St Patricks Head セント パトリックス・ヘッド。国立公園ではないけれど、Tasmanian State Reserve といって、州が指定する自然保護区として指定されている。標高は683 m。
町外れにひっそりとあって、あんまり人がいない。わたしは登って降りるまで誰にも会わなかった。あまり観光地らしいところは苦手な人にもおすすめです。
行き帰りで2時間の登山。
1つの山の中に湿地帯もあり乾燥地帯もある
登り始めに、ものすごく大きな木がある。中央の黒くみえる部分は燃えて空洞になっている。…なんで中央が燃えるんだろう。
日本の山とは植生がぜんぜん違う。シダ植物がすごく多い。普段はすごく乾燥してるけど、時々まとまった量の雨がどっと降るタスマニア東部。シダはそういう環境に合ってるんだろうな。
登りすすんでいくと急に、あたりがしっとりとした空気に変わる。
乾いた色が基本の大地で、カラフルな実はすごく目立つ。
がさごそと1人で登っていると視界のはしで色がキラキラする。宝物を見つけたような気分になる。
人が目撃してもしなくても、毎年ここでひっそりと鮮やかな実がついては落ちてるんだね。
金属みたいに、ブロンズカラーに輝くキノコも発見。
頂上までやってきた! さいごに待っている岩のぼり
ツンととがった形をしている St Patricks Head セント パトリックス・ヘッド。
山頂部分は特に急で、登るにつれて岩と石が多くなり、足元はかなり荒くなる。湿っている日はものすごく滑りやすい。私も何度かザザザザザ…と滑り落ちては鳥たちをビックリさせた。
登ってみなさい。というこの感じ。
これ、後で降りれるのかなほんとに…。不安になる。
登りきると、急に視界がひらける。そして奥にはさらに高い岩があるのも見える。ここまで来たらあっちまで登ろう。と1つの岩を登っては降り、また別の岩を登っては降りながら進む。
…お腹が空いてきたよ!
高い岩のほうに到達したら、東の方向に海が見えた。
岩の上で空を見ながらゴロゴロする。あとは帰るだけだと思うと急に面倒になってくる。
いま登ったばっかりの岩をまた降りて、登って、ってしなくちゃいけないのー。そうなのー。
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なにもない? なにかある? この道のかなたに
フツウだけど たしかに僕の目の前にひろがる
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さっきはワクワクして歌っていた歌を、今度は自分を励ますために歌いながらせっせと山を降りる。
わたしはこの歌を女子高生だった頃から歌ってた。自転車に乗りながら。テストが終わった後に。もうまっ暗な予備校の帰り道に。それからもう15年くらい経っているけど、地球の反対側でまだ同じ歌を歌ってる。
セントメリーズのパープルポッサムでお昼ごはん
いそいそと降りてきて、お昼を食べにいったのはこちら。
St Marys セントメリーズにあるWhole Foods ホール・フードのお店、Purple Possum パープルポッサムです。野菜いっぱいのサンドイッチを食べた。あと3皿くらい食べれそうだった。