ネパール、Pokharaポカラ2日目。
前日は夜の雰囲気しか見れなかったけど、明るくなると街の雰囲気が思いのほかリゾート感があるのにびっくり。ポカラはカトマンズとはぜんぜん違う、整備されていて人工感のある観光地だった。
湖におしゃれストリート。のんびりできるポカラ散歩
ポカラはPhewa Lake フェワ湖という大きな湖を中心に作られている街だ。南側にある湖と、北側にあるヒマラヤに挟まれて街が発展している。
朝から湖を散歩した。湖面には貸しボートがいくつも浮かんでいる。
1時間300ルピー(300円)くらいだった気がする。
かなり大きい湖なんだけど、ネパールでは2番めの大きさらしい。
空と雲が写り込んできれいだった。
湖のそばではおじさまたちがせっせと石壁を作っていた。
この立体的な感じ、こうやって作られてるんだね。完全に手作業だー。
売店、薬局、お土産屋さんと通り一面はどこもお店だらけ。
物価はしっかり観光地価格で、カトマンズより高い。節約旅行だったら、お土産はカトマンズで買っておくのがいいかもしれない。
おばあちゃん、機織り中。
湖に続く壁にはカラフルなグラフィティ。そういえばカトマンズでも見たな〜。
いかにもエネルギーに満ちあふれていそうな木もあった。
「おかあさ〜ん! 電線が、電線が、ぐちゃぐちゃしてない…!」
ポカラのツアー会社にふらっとお邪魔した
さて、私はネパールにいる間に織り物が作られている場所に行ってみたかったので、通りにあったツアー会社で聞いてみることに。
KBさんというおじさんがやっているこちらの代理店。ポカラはアンナプルナベースキャンプの入り口になっているから、ここに来る人はほとんどトレッキングのツアーを組むみたい。
ポカラに来たことのある方は、おそらく今頃「え、そこまで行ってヒマラヤ登らないの…?」と思っているのでしょうか。
…登りませんでした(でも見ました)。
日本に帰ったらいろいろ持ってるのに、「登っちゃおうかな〜」みたいな感じで靴や防寒具まであれこれ現地で買って登る山ではない気がした。ヒマラヤは。
…目の前に広がってるのが海だったら迷わず入りそうなのに、なんでだろう。
この後の人生で、いつかヒマラヤに立ち入ることがあるかな。
ノーだとしたら、このときの決断をいつか後悔するかな。
帰ってきてしばらくした今もたまに考える。
日本語に超堪能なKBさん
KBさんは日本語もとても流暢で、英語もできて、親切で、親近感の沸く人だった。
ポカラの今の観光産業についても色々話をしてくれて、最近は日本からの観光客は減ってきていると話していた。
ネットが発達してから現地の代理店でツアーを組む人も減ってきているのだそうだ。
数日間にわたるトレッキングの代金は、支払う側にとっては高額になるけれど、
・ドライバー&車
・つきっきりのガイド
・宿泊
・食事
・入山料
・代理店
「…っていろんな料金がセットになってるから、実際にそれぞれの手元に残るお金はそんなに多くないんだよね」とビジネスの内情を教えてくれた。
「織り物してる場所に行ってみたい」の答えは…
KBさんにいろいろ相談して、私が行くことにしたのは、
ポカラからヒマラヤ側、北西に25キロほど移動したところにあるDhamps ダンプスという小さな村。
車&ドライバーさん付き、半日ほどのツアーで6000ルピー(6000円)払った。多分値切れたけど、ネパールにお金を落とそうと思ったのでこれでよし。
「せっかくここまで来たならトレッキングもしなよ」とKBさんに結構粘られたけど、結局行かなかった。
現地の方の家に1泊するツアーなど、短いツアーも結構あるみたいだった。
▲壁にはみんなの感謝の言葉がたくさん
▲「私達とトレッキングに行くべき理由」のパネル
ドライバーのDavid デビッドさんとDhamps ダンプスへ出発!
KBさんが「英語も話せるしいいドライバーだから」と説明してくれたとおり、しばらくして現れたドライバーのデビッドさんは本当に親切な人だった。
運転をしながら、ネパールの文化や生活環境についてもいろいろと教えてくれた。
さて、車は小さな軽自動車だったんですが。
北西にあるDhamps ダンプスに向かいながら、Seti River セティ川を越えなくては行けなかったのだけど、そこには道がなかった。
…え、これどこに向かってるんだろう、と助手席でキョロキョロしていたら、デビッドさん、当たり前のように軽自動車で川の中をザブザブ渡っていく。
もはや砂利道ですらない。ゴロゴロした大きな石が転がっている川の真ん中をひたすら運転していくデビッドさん。しかも上流に向かってるから、坂道だし水はこっちに向かってくる。
そして気づいたら他の車も当たり前のようにそうしてる。
車は上下左右にめちゃくちゃ揺れてるけど、デビッドさんは「ここは今道作ってるところだからね〜」とどこまでも穏やか。でも運転技術はめちゃくちゃすごい。
ネパールに来て思ったのは、「今作ってる」というのは日本みたいに「もうすぐ完成する」という意味ではない。
今ないものは全て「この後できる」ものなのだ。
なんてステキな考え方なんだ。
途中の景色も楽しませてくれた
特にお願いしなくても、道中いくつかの場所で車を停めて外を歩かせてくれた。
ヒマラヤからかなり近距離にいるはずだけれど、曇っていて景色は見えない。
段々畑と、平らにならした土地に集まった家々。
山の暮らしってこういう景色なんだな、としみじみ眺めた。
目的地Dhamps ダンプスに到着。機織り工房はこんなところ
どんな土地か全く知らなかったダンプスは、こんな景色だった。
段々畑の上下にある、小さな小さな集落。
写真右手の3階建ての建物が、織り物を作っている住居兼工房だった。
建物の前はこんな様子。トタン屋根の下には機織り機が3台並んでいる。
1人だけ作業していて、近くにいる方は近所の方か働いている方かよく分からなかった。
これを作っていたのは20歳の女の子。動画を撮らせてほしい、とお願いしたら照れながらもOKしてくれた。
この仕事を始めたのは2年前くらい、と言ってたかな、そんなにベテランではないとデビッドさんは教えてくれたけど、話しながらも慣れた手付きで仕事を続けていた。
住み込み仕事の暮らしぶり
建物の中の部屋にも案内してくれた。
奥にキッチンがあって、寝室にはテレビも置かれていた。
使い込まれている感じのするキッチンに、きれいに畳まれている布団。機能的に整えられている空間。
暮らしの様子が見せてもらえて本当に嬉しかった。
私も買い物させてもらった
建物の入口を入ってすぐは、ここで織られたものや仕入れた布が並べられていた。ウールもシルクもパシュミナもカシミアもあった。
私も座り込んであれこれ広げては畳んで、結局自分用に1つだけ買った。一緒に写真を撮ってもらって分かったのだけど、作っていた女の子はかなり小柄だったんだな(私は155cm)。
これが私が買った布。膝の上に置いてるのだけど、実際はかなり大判。
「ネパールの村の柄だよ」とデビッドさん。
「え、ヤシの木があるけど…」と思いはしたのだけど、でもこれが一番気に入ったのだった。
「これは作るのに6日くらいかかる」と女の子は言っていた。
機織り師としての暮らしとお金
機織り機は3台あって、ここで働いている女性(働いているのは全て女性だった)は6名くらいいると言う。
彼女たちは毎日3時間ずつ、1日2回、機織り機の前に座って少しずつ織り進めていくらしい。
それ以外の時間は交代で家のことをしたり、ニワトリの世話をしたり、畑を見たりしているのだそうだ。
月収はもちろん聞かなかったけど、10000ルピー(1万円)はいかないだろうね、とこの後食事をしながらデビッドさんは言っていた。
この次の日記に詳しく書こうと思うけど、デビッドさんのドライバーとしての収入は20000ルピー(2万円)ほどだという。
私は6日かかって作られたあの布を3000ルピー(約3000円)で買った。
(後編に続く)