こんにちは〜。
ナマステナマステ〜。
インド人の彼とインドのジャンシーで結婚式したお話を書いています。
こちらは4話目。1話目はこちらからどうぞ。
部屋でメヘンディ(ヘナタトゥー)をしてもらう
ジャンシーでの1日目の夜。
婚約式から部屋に戻って少しのあいだ休憩。部屋にヘナ師さんがやってきて、私の手をキャンバスに、大作のメヘンディがスタートした。
これをやってもらっている時間、すごく好きだった。昔のインドのことを詳しくは知らないけど、なんだか時間を超えて昔のインドと触れ合っているような感じ。懐かしいような、憧れのような。伝わるかな…。
メヘンディ/メンディってなに?
メンディ(ヘナタトゥー)の歴史は4000年とも言われていて、インドでも結婚式には外せない装飾の1つになっている。結婚式では主に新婦や親族の女性が楽しむけど、新郎も手足に施すのが習慣になっているみたい。
原料はミソハギ科の植物の葉を乾燥させて粉にしたもの。それを水に溶いたものがチューブに入って売られていて、その先を小さく切って中身を少しずつ絞り出しながら手足に模様を描いていく。
結婚式の細密なヘナタトゥーを専門とする職人も多くいるらしい。
インドの街にいくと100ルピー(160円)くらいでメンディしてくれる場所もたくさんあるので旅行中にもおすすめ。短い人は1週間、長い人は2週間位で消えます。
描いてもらってからしばらくは水で洗わないほうが消えにくい、乾いた後にオイルを塗り込むと消えにくいとか、体温が高い人や、体をゴシゴシ洗ってしまうと消えやすいなんていう特徴もあるので、長続きさせたい人はお手入れ方法を調べてみるのもいいと思う。
さて、ニレーシュの手は一足先にこんな感じに仕上がっていた。
妹たちのためにもメンディ職人を予約して、2日目の朝に来てもらった。プロになると本当に作業が早い。1人10分ちょっとであっという間に完成。乾くと色素だけが皮膚に残って、ヘナは体からポロポロと落ちていく。
新婦は本当は結婚式の数日前にやってもらうのが主流なのだけど、私の到着が遅かったので、式のあいだを縫ってヘナをしてもらった。
実は私のをやってくれたヘナ師さん、ニレーシュのご近所の学生さんだった。ご家族もみんな結婚式に来てくれていた。ヘナも含めアート専攻で勉強中なのだそう。
彼は時間はかかったけど、朝早くから夜遅くまで、空き時間を使って本当に丁寧に作業してくれた。
さいきん結婚式用のヘナタトゥーでは、新郎新婦の手にお互いのイニシャルを入れて、お互いの手を取り合ってそれを探すというのも流行しているんだそう。こういう「ちょっとイチャイチャする」ことがイベントになっているのも面白い(手の中のNやSを探してみてね)。
夜のパーティーがスタート
始まってみるまでこのイベントの趣旨がよく分かってなかったのだけど、主に親戚や親しい友人が集まって、食事をしながらそれぞれ出し物をしたりと文字通りパーティーみたいな会だった。義叔父さん、義叔母さんが司会をしてくれる中、婚約式よりリラックスしたムードで会がスタートした。
1. 新郎・新婦入場
お色直しして、太鼓がまた鳴り響くなか同じ会場にふたたび入場。さっきはスーツだった新郎は、今度はインドらしい衣装になっていた。
この会ではスピーチしなくちゃいけない…。緊張は少し解けたものの、暗記したのがすっ飛んだ場合のカンペを握りしめて会場に入った。
2. みんなのダンス&カラオケタイム
インドといえば誰しもボリウッド映画の歌やダンスが脳裏をよぎると思うのだけど、インド人は本当に踊りが大好きだというのを目の当たりにした。おしゃべりする代わりに踊る。ダンスがコミュニケーションであり、ダンスがおもてなしなのだ。




みんなのダンス&カラオケタイムは2時間くらいあって、食事をしながらゆっくり楽しんだ。親戚の子供たち、私の1つ上の世代の皆さんまで、次から次へとライブショーをしてくれた。2歳の子供までちゃんと練習してきてくれていた。
しかしステージの下にいるのって、リラックスできて本当にいいね。
それにしてもみんな踊りが上手。みんなこの日のために選曲から振り付けまで、何週間もかけて毎日準備してくれたのだそう。しかも、1人1曲とかじゃない。5曲くらいをスムーズに編集して、1人7,8分は踊っていたと思う。
ステージに向いたソファにニレーシュと隣同士で座って、私達のために踊ってもらう。王様ってこんな気分なのかも…という時間。










3. 新郎新婦スピーチ
さて、私がデヘラードゥーンの語学学校に通った成果を見てもらう時が来た…!
これは普通のヒンドゥー教の家庭の結婚式では一般的ではないのかも知れないのだけど、事前に義父母に相談してスピーチの時間を作ってもらった。
私がヒンディーを話せないので家族や親戚のみんなとのコミュニケーションがうまく取れないのだけど、それでもせめて気持ちを伝えられたらと思ったのだった。
何度もぶつぶつ唱えて暗記したのだけど、その場で記憶がすっ飛んでしまう事態が心配だったので、カンペを握りしめてニレーシュと一緒にステージにあがった。
「皆さんはじめまして。お会いできて嬉しいです。私は5年前に初めてインドに来ました。その時はアグラ、ジャイプール、バラナシに行きました。人々の服装、綺麗な女性たち、どこにいてもインドはとてもカラフルでとても驚いたのでした。その時は今ここに立っていることを想像もしませんでした。
私はヒンディーを話せませんし、美味しいインド料理も作れません。それでも彼のご両親は私を受け入れてくれました。お義父さん、お義母さん、私と一つの家族になってくれてありがとう。親戚の皆さん、ここにいる皆さん、祝福してくれてありがとう。
今はまだ上手に話せませんが、次にお会いできる時を楽しみにしていてください。今日、明日はどうか楽しんでください」
という内容。たとたどしかったけど、どうにかちゃんと自分の言葉で最後まで伝えることができた。こんなに緊張したのは本当に久しぶりだった。
4. ニレーシュ一家も踊る
パーティーのフィナーレは、最後はお義父さんとお義母さんの踊りからスタート。
途中からサム(義弟)も飛び入り参加したのだけど、それまでずっと隣りに座っていたニレーシュも急にステージに飛び乗って家族の前で突然1人で踊り始めた。私もステージにあげられて、ニレーシュの踊りを受け取る(?)。
ニレーシュが目の前で踊るので私も一緒に踊ったのだけど、あとから聞いたらこれは「新郎から新婦に捧げるサプライズの踊り」だったらしくて、私はただ見ていればよかったらしい。
…のに、私も一緒になって踊ってしまった。
「踊ることは楽しんでいることを伝える方法」とニレーシュに事前に何度も刷り込まれていたので、だれかが踊り始めるとすぐ一緒に踊っちゃう体になってた。
「楽しんでいます」と伝えようと必死でみんなの視線にあまり気づいてなかったけど、いま振り返ってみると「新婦はそこまで踊らなくてもいいのに…」とみんな思っていたかも知れない。じわじわ上がってきそうになる恥ずかしさにフタをして忘れるようにしている。
さて、これで1日目の行程がすべて終了!
みんなのハッピーな空気に包まれて、無事にスピーチも終わって、なんだか楽しむ余裕が湧いてきた。
やっと寝れる…と思ったのだけど、両手両足に施されるはずのヘナタトゥーがこのときはまだ全然終わっていなかったので、ヘナ師さんが翌日朝7時に部屋に来るという。
「え、その前にシャワーもしないとだから、じゃあ6時には起きないと…?」
インドの花嫁は体力勝負。余韻を楽しむ時間も惜しんで、きらびやかな衣装からあっという間にいつものパジャマ姿に戻り、早速ベッドにへばりついたのでした。
(5話につづく)
🔽ニレーシュと出会ってからの記録をつけています
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