ナマステ、ナマステ。
カヌンゴしずえです。
2019年5月に、2年お付き合いしてきたインド人の彼ニレーシュとインドで結婚式を挙げました。
もう半年経ったのだけど、振り返るととても稀有な体験だったな〜としみじみ。長くなりそうですがのんびり振り返っていきたいと思います。
登場人物
新婦(私):
フリーランスワーカー。結婚式の準備もあっておしごとは開店休業状態。インドの北・デヘラドゥーンの語学学校で式前の4週間ヒンディー語を勉強中。
日本からやってくる家族とデリー空港で待ち合わせして、彼の実家・ジャンシーまで2日かけて移動する予定。
新郎(日本に住むインド人):
会社は2週間休みをとってひと足先にインド・ジャンシーで待機中。実家で挙式の準備やお祈りの儀式をこなしながら式当日を待っている。
インドの結婚式って、いろいろ派手で、みんな踊ってて、太鼓の人とかいて、何日間もお祭りみたいにやってる印象があったのだけど、皆さんもでしょうか。
ほんとにそれでした。そのとおりでした。
1週間前から毎日お祈り。親戚が集合
まず、新郎のほうは1週間も前から「プジャ」というお祈りがスタート。
(同じヒンドゥー教でも南北でだいぶ風習が違うらしい。彼は北インド出身)
そのとき私はまだ語学学校にいたので、毎日送られてくる写真を「あぁ、もう結婚式はじまってるんだー」なんて他人事のように楽しみながら見てた。
…のだけど、日に日に写真の中の人が増えていっている。
インドでは式の前につぎつぎと親戚の人たちが新郎新婦の実家に集まりはじめるのだそう。
家1軒ではみんなが泊まりきれないので、ご近所さんにもお願いして部屋を何部屋か確保するという。
これにもびっくり。「あの〜、こんど結婚式なのでお宅の1部屋貸してください」って、日本では考えられない気がする。
結婚式を迎える家はお花や布で飾りつけられ、ライトアップされてご近所中に「おめでたいことの始まり」が知らされる。
親戚の女性たちのしごとはとても多くて、引き出物や食事の際に振る舞われるお菓子(ラドゥーなど)の準備や、集まってくるお客さんの食事のお世話をするのだそう。
式の当日まで毎日、新郎や家族のプジャが続く。お寺に行く日もあれば、家にグルがやって来ることもある。結婚式を迎える新郎、新婦は神聖な存在となるようで、外を出歩くことも制限される。
それもあって、身の回りのことや式の準備を家族や親戚の人に色々と助けてもらうことになる。インドの人の親戚のつながりが家族のように強いのは、行事のたびに同じ時間を過ごしたり、助け合ったりすることが多いことも理由のひとつのようだ。
また、風水的な理由なのか、祈る神様に合わせているのか(理由はよく分からなかったけど)「今日は赤い衣装を着る日」とか「今日は黄色い衣装の日」なんて日もあったそうで、その日は親戚の人もみんな同じ色のサリーやシャツで合わせたりもしていた。みんなインドのあちこちから集まっているのに、準備がとてもいい。
その他にも、ある日はみんなターメリックの塗りあいこをしていたり、ある日は歌い手と楽器の奏者が家にきてライブショーのようになっていたり、ある日は家の前にみんなが集まって踊ったり…と行事が盛りだくさんだった。
インドの結婚式はどこまでが伝統でどこからがトレンドなのか私には判断できなかったのだけど、夫に聞いたら本人もよく分かってないのだそう。家ごとの違いもたくさんあるようだった。
式の前は買い物三昧。私もトライした
私のほうは結婚式の準備は自分ではろくにできなかったのだけど、お義母さんに助けてもらって自分の家族のためのサリーを買いに行った。
サリーは基本的に、ブラウスとペチコート(サリーの下に履く)と1枚の長ーい布から構成されている。ブラウスは既成品としては売られていないので、購入したサリーの布を仕立て屋さんに持っていき、布の一部を切り取って自分のサイズに合わせて仕立ててもらうという仕組みになっている。
私も母と妹たちのサイズを事前に聞いておいて買い物当日に臨んだ。
デリーで古くから商店街として栄え、「インドの浅草」とも呼ばれているチャンドニー・チョーク。細い路地が複雑に入り組んでいて常に人でごった返しているのだけれど、全てのものがここで揃う。
私はデリーでお義母さんと待ち合わせて、ここで一緒に買い物をしてもらった。言葉があまり通じないので、デリーで大学に通っている義弟も一緒に来てくれた。みんな優しい。
お土産にも最高! インドでサリーを買ってみよう
サリーの布は手頃なものだと1枚1500円くらいからある。
予算が増すほど高級な生地や手の込んだ刺繍のものが買える。おおよその予算や色、イメージをお店の人に伝えると、それに見合った生地を次から次へと出してきてくれる(欲しいものが見つからなければ「もう大丈夫です」とそのままお店を出てもぜんぜん問題ない)。
普段着ないような色でも、合わせてみると「似合ってる気がする…!」というのが見つかったりして本当に楽しい。気に入ったものはぜひ巻いてもらってみてください。
サリーを購入したら仕立て屋さんへ。
個人でやっている人が多く、街のすみっこの小さなスペースで布に囲まれてミシンの前に座っているおじさんを探す感じです。安いところだと300円くらいで作ってくれたりもする。このお金でどうやって暮らしていけるんだ…、と不安になる。
インドでは常にそうなのだけど「値段が高い=質がいい」ではない。その人が作っているものを見せてもらったりして、任せられそうか事前に確認したほうが安全そう。
自分用であればその場でサイズを測ってくれるけど、お土産など人のものであればサイズを伝えて作ってもらうこともできる。インドはセンチではなく「インチ」が主流なので、用意したサイズの単位をはっきり伝えないと2.5倍のサイズで完成してしまうのでご注意を。
また、たくさん注文を受けているところほど当日縫い終わることはなかなかないので、希望日を伝えた上で後日受け取ることになる。旅行中にサリーを買うなら、最初のうちに見て回ることをオススメします。
「みんなにお嫁に行かせてもらう」国際結婚
それにしても、お義母さんは今回の結婚式、本当に大変だったと思う。
インドの挙式は自分たちで準備するものがほとんどで、買い物や準備にとても手間がかかる。参列者に渡す引き出物、衣装やアクセサリー、花嫁・花婿に贈るプレゼント、花嫁、花婿から両家に贈るプレゼント…。
今回はインドの習慣を全然分かっていない私のために、夫の両親がほとんど全てのものを準備してくれた。ほとんど2倍の仕事量だったと思う。自分の両親だけでなく、お義母さん、お義父さんにお嫁に行かせてもらったような感覚も後からじわじわ湧いてきたのだった。これからたくさんお返ししていかないとね。
(2話につづく)
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